隠れ脱水とは(2)

隠れ脱水とは(2)

~潜む危険と見逃せない兆候~

監修:管理栄養士 髙﨑 美幸 先生
制作・編集:メディバンクス株式会社

3.隠れ脱水のサインを見逃さないで


脱水のチェックポイント

体に様々な不調を感じ、水分が不足していると思った人は、隠れ脱水のおそれがあります。隠れ脱水が進行すると現れる、以下の兆候を覚えておきましょう。

□便秘:腸内の水分量が減少し、便が硬くなる
□口が渇く:唾液の分泌量が減少し、喉の渇きを感じる
□尿量減少:尿の量が減り、尿の色が濃くなる
□頭痛:脳の血流量が減少し、頭痛が起こる
□めまい:脳への酸素供給が減少し、めまいが起こる
□倦怠感:体内の水分不足により、全身のだるさを感じる
□微熱が続く:血流が悪くなるため、体温が上昇しやすくなる
□皮膚の乾燥:皮膚がしっとりしていない
□指先の冷えや青白さ:血流量が減少し、末端まで行きわたりにくくなる このほか、「居眠りしがち」「多弁または無口になる」「わきの下が乾いている」「食べているのに体重が減る」などの変化も、脱水を疑ってみましょう。

<ツルゴール反応の確認方法>

皮膚の張りや弾力から脱水を確認する方法です。
1.前腕あるいは胸骨上の皮膚をつまみ上げて放す
2.2秒以内に皮膚が元の状態に戻れば正常、戻りが遅くなると脱水の可能性あり

<爪の色で判断するセルフチェック法>

1.親指の爪のピンク色を確認し、逆の指で爪を軽くつかむ
2.つまんだ指を離したときに、爪の色が白から元のピンクに戻るまで3秒未満なら正常、3秒以上かかる場合は脱水症の可能性あり

4.隠れ脱水を予防するには?


隠れ脱水の予防法

水分摂取が不十分だと感じたら、次の方法で脱水を予防しましょう。

●こまめに水分補給をする
年齢や体重、食事摂取量、健康状態、生活環境により異なりますが、一般に成人で1日1.5~2.5Lの水分が必要だといわれています。
たとえば、2Lを目安にする場合、食事で約1L、その他で約1Lの水分を摂ると確保できます。
一度に大量の水分を摂ると、心臓や腎臓に負担をかけるおそれがあるので、起床直後、食事前後、外出前、帰宅直後、入浴前後、就寝前など、こまめに水分を補給する習慣をつけるとよいでしょう。
外出時にも飲み物を持参することをお忘れなく。

●水分と共に電解質も摂取する
脱水とは、体内の水分だけでなく、塩分などの電解質も失われた状態です。
水やお茶に加えスポーツドリンクや経口補水液なども活用し、必要な電解質を補いましょう。

●食事からも積極的に摂取する
水分を多く含む冷や奴、お浸しなどを食事に加えたり、おやつにゼリーを用意したりするのも効果的です。

●飲み物を飲み込みやすくする
水分を摂る際の“むせ”が気になる人は、飲み物にとろみを付けたり、最初からある程度とろみの付いている市販の飲料を選ぶのも良い方法です。

●体調管理を怠らない
発熱や下痢が起きると脱水の原因となります。
手洗いの徹底や予防接種を受けるなど普段から対策を行いましょう。

脱水が進行したら、医療機関を受診!
隠れ脱水は水分や電解質の補給で改善しますが、重度の脱水症に進行すると、意識がもうろうとしたりけいれんを引き起こしたりすることがあります。
その場合は、命の危険もありますので、すぐに医療機関を受診しましょう。

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