その食形態はあなたに合っていますか?(2)
その食形態はあなたに合っていますか?(2)
~食べる力に合わせて選ぶことが大事~
監修:管理栄養士 髙﨑 美幸 先生
制作・編集:メディバンクス株式会社
目次
3.食形態の種類
どんな種類があるの?
一般的な食形態には次のようなものがあります。
●きざみ食/食べやすいように細かく刻んだもの
噛む力が低下していても食べやすいですが、のどの奥でばらけやすく、飲み込む力が低い人には誤嚥のリスクが伴います。
●軟菜食/長く煮るなどやわらかく仕上げたもの
噛む力が低下していても食べやすいですが、通常より調理時間がかかってしまいます。
●ムース食/通常食をすりつぶし、型やゲル化剤※を使用して成形したもの
見た目がおいしそうで、ほとんど噛まずにそのまま飲み込めますが、調理に手間がかかりがちです。
※冷やすと固まるゼラチンや寒天などの総称です。
●ミキサー食/ミキサーで食材を細かく砕いたもの
噛むことなく飲み込めますが、水分が多いため満腹感を感じて食事量が減ったり、液状でむせやすくなったりします。
●ペースト食/食材をつぶしてやわらかくしたもの
ほとんど噛まずにそのまま飲み込めますが、見た目の工夫がないと食欲がわきにくい場合があります。
●ゼリー食/寒天やゼラチンなどで固めたもの
噛まずに舌や歯ぐきでつぶせますが、細かく砕いたクラッシュ状は口の中でまとまりにくく、誤嚥の原因になる場合があります。
どの食形態を選ぶ場合も、盛り付けや美味しさを意識し、満足感のある食事作りを心がけましょう。
料理の形や彩り、温度にも気を配ることで、食欲が湧き、食べる量も増します。
豊かな食事は、心も体も元気にしてくれますよ。
4.食形態の選択
どんな食形態を選べばいいの?
どんな食形態を選べばよいかは、かかりつけ医師や看護師、管理栄養士などに相談して決めるのが理想的です。ここでは、簡単な目安をご紹介します。
1.咀嚼ができている人
噛めているからと油断せず、口の中で飲み込みやすい形状にできているかどうかを確認してください。
咀嚼ができているなら、通常の食事や軟菜食、きざみ食を検討しましょう。
2.舌による押しつぶしができている人
咀嚼が見られなくても、舌による押しつぶしができている場合は軟菜食やムース食を検討してみましょう。
乳児が離乳食を食べるように舌を前後に動かしてすりつぶす食べ方ができているか、確認してください。
3.ペースト食で口の中が汚れる人
舌による押しつぶしが不十分で、口の中に食べ物が残る場合は、ミキサー食・ペースト食・ゼリー食を検討してみましょう。
口の中一面に食べ物が広がって残る人は、まとめる動きができていません。
その場合は、すでにまとまった状態のゼリー食を選ぶとよいでしょう。