食事量が低下したら(2)
食事量が低下したら(2)
~気をつけたい高齢者の少食と低栄養~
監修:管理栄養士 髙﨑 美幸 先生
制作・編集:メディバンクス株式会社
3.低栄養のサイン
あなたは低栄養?
次の項目で1つでも当てはまることがあったら、低栄養が疑われます。
□体重が減って、やせてきた
□脚が細くなってきた
□首回りがやせ、肋骨が浮き出ている
□少し歩いただけで疲れやすくなった
□椅子に座っている時間が増えた
□長時間座っているとお尻が痛くなる
□食事の量や食べるものの種類が減った
□風邪やキズが治りにくくなった
食事量の減少が続く場合は、医師や看護師・管理栄養士に相談しましょう。
4.食事量が低下したときの対策
食事の品数を増やす「ちょい足し」のすすめ
食生活を一気に改善するのは難しいので、まずは食事の品数を増やしましょう。
●朝食・昼食にちょい足し!
簡単にすませがちな朝食・昼食に、卵、乳製品(牛乳・チーズ・ヨーグルトなど)、フルーツをちょい足ししてみましょう。
●品数をちょい足し!
コンビニで買える食べきりサイズの総菜やレトルト食品、お弁当用の小分け冷凍商品も便利です。
●カロリー・たんぱく質をちょい足し!
たとえば、次のように食品を組み合わせて栄養量を増やしましょう。
・トースト→フレンチトーストやチーズトースト
・素うどん→冷凍つくね入りのつくねうどん
・冷凍グラタン→細かく切った絹ごし豆腐を加えた豆腐入りグラタン
●おやつをちょい足し!
バナナ、プリン、アイスクリーム、ソフトせんべいなど“栄養アップ”につながる食品、少量で高カロリーのもの、水分と栄養が両方摂れる食品(ココア、抹茶豆乳、きな粉ミルク、ヨーグルトドリンクなど)がおすすめです。
●市販の介護食品や栄養補助食品でちょい足し!
食べる機能が低下した人でも食べやすい介護食品や、カロリーや栄養バランスの取れた栄養補助食品を活用するのも一つの方法です。
普段から心がけたいこと
●朝食をしっかり摂る
ごはんやパンなどすぐエネルギーに変わる主食と、豆腐や卵など消化のよいたんぱく質食品を摂りましょう。
「おはよう!」など、家族の明るい声かけも食欲を増進します。
●食べたいときにすぐ食べられる用意を
一度に少量しか食べられない場合は、食べる回数を増やして総量を確保しましょう。
・切る必要のある食品(フルーツ・カステラなど)は、切り分けて密閉容器に入れて保存
・缶詰・瓶詰は、開けやすい容器に移し替えておく
・1回分の食事をお皿に盛り付けて、冷蔵庫などに保存
●おかず優先、特にたんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品など)を先に
早く満腹になって肝心のおかずを食べられなくなることを防げます。
●楽しみながら食事をする
友達や家族と大人数で食べる、遠くの家族とテレビ電話で話しながら、あるいはベランダで食事をするなど気分を変えると食欲がわきやすくなります。
●口腔環境をよい状態に保つ
口の中が乾燥していたり、入れ歯が合っていなかったりすると食事がおいしく食べられず、口腔状態を健康に保つことが低栄養の予防にもつながります。
●適度な運動をする 全身の筋肉を増やすことは、のどの筋肉を増やし、運動をすればおなかがすいて食欲もわいてきます。たとえば、散歩を兼ねたウォーキングや、かかとの上げ下げといったシンプルな運動でも効果は期待できるので、日常生活に取り入れてみましょう。