知っておきたい!介護食の種類(2)
知っておきたい!介護食の種類(2)
~食べる機能に適した食事のヒント~
監修:管理栄養士 髙﨑 美幸 先生
制作・編集:メディバンクス株式会社
2.一般的な介護食の分類
一般的な介護食の分類と例
市販の介護食品を手に取ったとき、「舌でつぶせる」「薄いとろみに準拠」のような表示が目についたことはありませんか?
実は、介護食は、一人ひとりの食べる力の段階に合わせて選べるように、形状が分類されています。
主な分類としては、「嚥下調整食分類2021」「ユニバーサルデザインフード(UDF)」「スマイルケア食」「IDDSI(国際嚥下食標準化構想)」があります。
「嚥下調整食分類2021」は病院・施設・在宅医療および福祉関係者を対象とした基準、「ユニバーサルデザインフード(UDF)」「スマイルケア食」は在宅の高齢者向けの基準といえます。
介護食を選ぶときにはぜひ注目してみてください。
嚥下調整食分類2021
「日本摂食嚥下リハビリテーション学会」が定めた分類で、国内の医療・福祉関係者が共通して使用できる食事(嚥下調整食)の形状およびとろみについての段階がコード番号で分類されています。
・コード4 :形があり、かたすぎず、口の中に張りつきにくいもの
・コード3 :形はあるが、歯や入れ歯がなくとも口腔内で押しつぶしやすいもの
・コード2-1:べたつかずまとまりやすいピューレ・ペースト・ミキサー食など、均質でなめらかなもの
・コード2-2:2-1の特徴に不均質なものも含む
・コード1j:離水に配慮したゼリー・プリン・ムース状のもの
・コード0j:付着性・凝集性・かたさに配慮した、均質で離水が少なく、スライス状にすくうことが可能なゼリー
・コード0t:付着性・凝集性・硬さに配慮したとろみ水
ユニバーサルデザインフード(UDF)
食品メーカーによる「日本介護食品協議会」が定めた、食べやすさに配慮した食品です。同会が制定した規格に適合する商品には、UDFマークとともに「かたさ」や「粘度」の規格により分類された4つの区分が表示されています。
・容易にかめる
・歯ぐきでつぶせる
・舌でつぶせる
・かまなくてよい
また、UDFにはとろみ剤(とろみ調整用食品)もあり、4段階のとろみの強さに応じて、どのくらいの量を使えばよいかという目安も表示されています。
・とろみの強さ1:フレンチドレッシング状
・とろみの強さ2:とんかつソース状
・とろみの強さ3:ケチャップ状
・とろみの強さ4:マヨネーズ状 私たちがよく目にする市販の介護食品には、主にUDFの分類が表示されています。
介護食を選ぶ際にはその表記を参考にしてみてください。
スマイルケア食
農林水産省が定め、 マークとともに、色別のマークで分類されています。
「青」マーク:噛むこと・飲み込むことに問題はないものの、健康維持上栄養補給を必要とする方向けの食品
「黄」マーク:噛むことに問題がある方向けの食品
「赤」マーク:飲み込むことに問題がある方向けの食品
IDDSI
国際嚥下食標準化委員会により定められ、飲み物を含む8段階で分類されています。
〈食品〉 〈飲み物〉
7 常食IDDSI
6 やわらかい一口大の食品
5 しっとりしたミンチ状の食品
4 ピューレ状の食品 濃いとろみの飲料
3 液状食品 中間のとろみの飲料
2 うすいとろみの飲料
1 極薄いとろみの飲料
0 液体
【分類表(ユニバーサルデザインフード/スマイルケア食/学会分類2021)】